自分ではいい食生活をしているつもりでいても、間違った食習慣が定着しているといつまでもお肌は改善されません。
今日はある女性Sさんの例をご紹介いたします。
病院にも行ったのですが、スキンケアと生活全般に気をつけるように言われ塗り薬を処方されました。病院で言われた通り薬をもらい、今では食事にも気をつけてるようになったのに一向に良くなりません。
肌の状態は目の周り・頬の中心は部分的にかさつき・口周りにはニキビ、冷えもあります。
・ミネラルウオーターを毎日2ℓ飲む
・ヨーグルトを毎日食べる
・食事は野菜を多めに取るよう意識している
・高価な薬用美容液をつける
食事日記をつければ献立の改善点が沢山みえてくる
あなた自身のカラダが喜ぶ食事をとっていましたか?
自分ではヘルシーな食事をとっていると思っていても、実は体に合っていないものを食べていた・からだを冷やしていたということがよくあります。
Sさんには「食事日記」を一週間つけていただきました。
より正確な情報が欲しかったのでLINE全て写真で送っていただきました。記録をつける写真は、極力普段どおりにしてもらいます。
記録をつけるとなると張り切ってこの時だけはと普段と違う食生活をしてしまう方もいらっしゃいますが、ここはあえて意識せずに普段どおり(自分がよいと思っている食生活)にしていただきます。
飲み物や間食も記録をとるようにしていただきました。
また、普段どのような調味料を使っているのかも記録していただきます。
「肌は内臓の鏡」とは言いますが、もっといえば「肌は血液の鏡」でもあります。つまり、体の中身を総合的に表現されたのが肌なのです。
一学期間のがんばりを評価したのが成績表ならば、過去3ヶ月程度の食生活(や他の生活習慣)を表現したものが肌なのです。
今、肌荒れが起きてしまっているということは、過去3ヶ月間の食生活に見直すべき点があるということを示しています。
肌とストレスの関係も大いにありますが、「食事に気をつけている」というレベルが人によってはかなり差がある可能性もあるのですね。
原因の分析をしてみる
一週間の食事を画像に送ってもらったところ、次のような気になる点が見られました。
1 野菜を多くとっているが多くは炒めものになっている。⇒ 油の質・量に問題あり。使われている調味料は添加物まみれ
2 朝食の食パンやグラノーラが多い ⇒小麦粉・糖分の取り過ぎが軟便・腸内環境悪化の原因に
3 市販のお菓子や忙しい日は栄養補助食品で済ました日も多々あった。⇒ショートニング・マーガリン・糖質過多
4 ヨーグルトの食べ過ぎ →冷えを助長
5 水の飲みすぎ →冷えを助長
美肌への近道!油の質には気をつけて
外食で酸化した油を取りすぎてはいませんか?
市販のお惣菜や加工品などのに使われている油は、よほど選ばない限りお世辞にも質の良いものが使われているとは言えません。
炒めもので使う油も、朝食の食パンに含まれているマーガリンやショートニング、市販のお菓子の油も、そして学食のパスタに入っているサラダ油も、そしてサラダにかかっているドレッシングの油も添加物やマヨネーズなどが多く使われていました。
また、手軽にとれる一般的な栄養補助食品は脂肪分がかなり多く、マーガリンやショートニングがかなり使われていたりします。
マーガリンやショートニングは安価なので、普通のスーパーで買うお菓子や加工品にはほとんどの食材に含まれており安心して変える食材が少ないのが現状です。
からだのことを考えると油にはよほど気を使う必要があるのです。
ここまで気にしなくてはいけないの?と思われたかもしれませんね。
もちろん人の体にはその人に合った許容量があり、ある程度までは汗や便などから処理できるようになっています。
ですが、あなたがもしお肌にトラブルがあり長年不調が続いているのであれば、許容量を超えている可能性があるのですね。
日頃とっている油の質を見直してみましょう。いらない油をカットすると回復は本当に早いですよ。
無意識に砂糖を摂り過ぎている
市販のお菓子はもちろんのこと、食パンやグラノーラ、ヨーグルトにはお砂糖が沢山入っているものも。
アトピーやニキビのある方は、甘いお菓子を食べ過ぎた日に痒みが増したり赤みがひどくなったという経験があるのではないでしょうか。
もし、パンやグラノーラを食べたいときには砂糖不使用のものを選ぶか自分で手作りしたほうが新鮮で上質な素材で作ることもでき、経済的です。
また砂糖の取り過ぎによるアトピー、アレルギー、糖尿病、過敏性腸症候群(IBS)、記憶障害、多動性(落ち着かない)、イライラ、不安症などの症状との関係性が指摘されています。
砂糖と油の組み合わせは肌を荒らすケースが少なくありませんので、まずこれを第一に減らす必要があります。
小麦の摂取量が多い
実際にお聞きしていると、小麦製品を食べる機会が多くお米をあまり食べていないことです。
小麦や大麦、ライ麦に含まれるグルテンに対する免疫反応が引き金となって起こる自己免疫疾患を“セリアック症候群”といい、ここ数年増加傾向にあります。
セリアック病に酷似した反応を示す“グルテン過敏症”もあり、アレルギー症状の重さの違いはあれども、食の欧米化による体調の変化をよく観察してあげることが大切です。
薬膳では、小麦はグルテンを含み痰湿をためるものとされています。
痰湿とは無駄な水です。通常健康な体は無駄な水を排出し、むくまないようにできているのですが痰湿は無駄な水をためてしまいます。
無駄な水は体にたまり、何かのタイミングで肌に出てくることもあります。小麦自体を取ることはアレルギーをお持ちでなければそこまで神経質になる必要はないのですが、主食にするのはやめた方がいいと思います。
また、外国産小麦にはポストハーベスト農薬のリスクもありますのでお肌のためにも極力避けたいものです。
日本は稲穂の国です。やはり主食はお米を食べるようにしたいですね。
具体的な食事の改善策
Sさんには次のような食事に変えてもらいました。
「ご飯、味噌汁(あるいはスープ)、野菜、おかず」が基本。
・いつものご飯に雑穀を入れ、お野菜は皮ごと使うようにして一物全体食を増やす。・食物繊維を意識してとるようにする。
・朝食は無理に食べなくてOK!食欲のない朝は白湯を飲んでデトックス。
・市販の加工食品は控える。(菓子パン、ヨーグルト、栄養補助食品など)
・油を使う野菜炒めをやめて野菜は「味噌汁に入れる」か「煮る、焼く、蒸す、ゆでる」にする。
・市販のドレッシング・マヨネーズはやめ、手作りの発酵調味料を使うようにする。
これで、食卓から「小麦、油、砂糖」を大幅に減らすことができました。
この生活を徹底して一か月続けていただきました。
すると…結果は??
長年便秘がちだったお通じは日に日にスッキリと出るようになりました。それも今では毎日とのこと。
この変化はかなり大きいのではないでしょうか。
体調の変化にご本人が一番びっくりされていました。
肌の赤みが一か月経ったあたりから頬のカサツキが落ちついてきて、しつこかったニキビが枯れてきました。
あれから、半年、一年と続けてペースを作っていかれたので今ではお化粧で隠す必要のないほど落ち着いてきています。
年齢も21歳と若いので、良くなるスピードはさすがです。
甘いお菓子については中毒的に食べたくなることもありましたが、まずは食の原理原則を徹底し間食にはとうもろこしや栗、時には甘麹を使ったものをとるようにしていただきました。
この方の場合、完全に和食ベース・少油生活に入ったので、当初に比べると食生活はかなり激変しているのですが、ご本人は美味しいから続けられると楽しんでいらっしゃいました。
肌の弱い人は肌の質が繊細だからこそ出てしまいます。
一方で肌に出やすい過敏肌の人は実は美肌の素質を持った人だとも言えます。
現在は時々友達とも甘いデザートを食べることもあるそうですが、体調をみて上手にセーブされています。
このように自分の体の声に真摯に耳を傾けながら、コントロールして食を楽しめられれば素晴らしいですよね。
サプリ・美容液はあくまでも補助的な位置づけに
皆さん陥りがちな考え方ですが、薬用美容液やサプリを特効薬のように考える傾向があります。
薬の文化に慣らされてしまっている私達がそう考えてしまうのも無理のないことだと思います。
特定のサプリや高価な美容液は特効薬ではありません。
毎日食べている食べもの全体が体を作っている以上、普段の食生活を変えずして、その上にどんなによい美容液・サプリを取っていても根本的な問題は解決しません。
もちろんそれで解決するのであればそれはそれで素晴らしいことなのですが、もしあなたが長年しつこい肌トラブルに見舞われているのならば、ぜひ食事内容を見直してみてください。
終わりに
お肌は食習慣が変わると、確実に変化が訪れます。
そのために必要不可欠なことが“自炊の習慣化”つまりあなただけのオーダー式食事療法です。
いらないもは出し、適宜必要なものを取り入れる。
ご自分の体質や体調を誰よりも知っているのは、他でもないあなたなのです。
SahocoKithen では食事カウンセリングも開催しておりますので、なかなか肌荒れが改善されない方・体調に不安のある方はぜひ一度ご相談ください。